大判例

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東京高等裁判所 昭和36年(行ナ)147号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(本件審決を取り消すべき事由の有無について)

二 原告は、本件審決は、本願発明をもつて第一公知例及び第二公知例における開閉機構から容易に推考できる程度のものであるとした点において違法である旨主張するが、この主張は理由がないものといわざるをえない。これを詳説するに、……本願発明は、一の技術的思想として把握するときは、第一公知例における電路開閉装置に代えるに本願発明出願前公知であつた……ガス供給路の開閉装置をもつてしたにすぎないものと認められるからである。

原告は、この点に関し、本願発明は、これら公知事項とは全く異なつた独特の構成及び効果を有するものであると……主張をするが、原告が主張する本願発明における独特の構成なるものは、結局、第一公知例における電路開閉装置に代えてガス通路の切換弁を採用する場合、その対象が流体であるガスである特性に鑑み、当業者の当然に考慮すべき尋常の設計的手段に他ならず、その間に特段の発明というに値する創作的工夫があるものとは認められないばかりでなく、ガス釜と電気釜の炊飯効果等の優劣に至つては、本願発明以前から存在した両者の本質的特徴に由来するものにすぎず、その優劣がいずれにあるにしても、本願発明の技術的思想の創作としての固有の特徴とは、かかわりのない問題であることは、多くの説明を要しないところであるから、原告の前掲主張は、本件における争点とは、ほとんどかかわりをもちえないものといわざるをえない。

なお、原告は、本件審決には、原告の適法に提出した意見書を全く見ないで審決をした不法がある旨主張するが、本件審決が原告主張の意見書を全く顧慮することなくされたものであることを認めるに足る何らの証拠資料はない(審決において、意見書に記載されたすべての点について直接答えるところがなくても、それだけで審決を違法といえないことはもち論、これをもつて該意見書を全く見なかつたと断ずることはできない。)のであるから、原告の右主張は、もとより採用するに値しない。

(むすび)

三 以上説示したとおりであるから、その主張のような違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものというほかはない。よつて、これを棄却する。(服部高顕 三宅正雄 石沢健)

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